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  • 国際感染症学院の教育における3つの方針とアセスメント・ポリシー

国際感染症学院の入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)

教育目標

 エボラ出血熱のアウトブレーク等、新興・再興感染症による社会、経済への脅威は益々増大し、感染症の研究とその対策にあたる専門家養成の要望が国内外において一層高まっている。国際感染症学院では、このような社会的要請に応えるため、感染症学に関する広い視野、柔軟な発想力及び総合的な判断力を有し、我が国のみならず世界の感染症学の発展ならびに感染症の制圧に寄与できる実践的な能力と指導力を備えた人材の育成を目指している。

 

求める学生像

・入学者に求める資質

  1. 知識・技能・理解:専攻する感染症学関連分野に関して十分な基礎学力および技術を有している者
  2. 思考力・判断力・表現力:研究および学術活動に必要な英語力とコミュニケーション能力を備えている者
  3. 関心・意欲:研究課題に積極的に取り組む意欲と探究心を持ち、研究倫理や医学・獣医学倫理に関して深い関心を有している者
  4. 主体性・協働性:幅広い視野に立ち創造性豊かな研究や学術活動を展開する実行力に満ちた者

 

・入学前に修得しておくことを期待する内容

  1. 大学院において専門的な学術研究・活動に従事していくために、感染症学関連分野に関する基礎的な知識を修得していること。

 

アドミッション・ポリシー

 入学者の選抜にあたり、志願者には、以下の資質・能力を期待する。

 

  • 地球規模の感染症研究、克服へ貢献する強い意志
  • 「One Health(ヒトと動物両者の健康)」概念の重要性に関する深い理解
  • 研究室に留まらず、感染症現場で活躍する実践力、行動力
  • 国際的なチームワーク下で協働する意思と能力

 

入学者選抜の基本方針
(1)一般入試・社会人入試

筆記試験で「知識・技能・理解」「思考力・判断力・表現力」を、口頭試問で「知識・技能・ 理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「主体性・協働性」を評価し、出願書類では 「知識・技能・理解」「関心・意欲」を中心に総合的に評価する。

(2)自学部外(日本人)特別選抜

出願書類で「知識・技能・理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」を、口頭試問で「知識・技能・ 理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「主体性・協働性」を評価して総合的に評価する。

(3)外国人留学生入試

出願書類で「知識・技能・理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」を、口頭試問で「知識・技能・ 理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「主体性・協働性」を評価して総合的に評価する。

 

入学者選抜試験の検査方法と評価要素

    知識・技能・理解 思考力・判断力・表現力 関心・意欲 主体性・協働性 
一般入試・社会人入試 出願書類    
筆記試験    
口頭試問
自学部外(日本人)特別選抜 出願書類(エッセイ・研究計画を含む)  
口頭試問
外国人留学生入試 出願書類(エッセイ・研究計画を含む)  
口頭試問

 

国際感染症学院の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

 大学院国際感染症学院は、本学の4つの基礎理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)の下、感染症学に関する広い視野、柔軟な発想力及び総合的な判断力を養い、我が国のみならず世界の感染症学の発展ならびに感染症の制圧に寄与できる実践的な能力と指導力を備えた人材の育成を教育目標としています。
 大学院国際感染症学院では、この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を博士課程感染症学専攻において定め、当該能力を身につけ、かつ所定の単位を修得し、学位論文の審査及び試験に合格した者に博士の学位を授与します。さらに本人の希望、専門性、将来の活動分野を考慮して、博士(獣医学)もしくは博士(感染症学)を選択することができます。

 

感染症学専攻の学位授与水準

 感染症学専攻では、国際感染症学院の教育目標に基づき、動物およびヒトの健康の維持・増進、国際的な感染症対策推進のために、感染症学を修めた専門家として、さらにOne Healthの実現のために国際舞台でリーダーシップを発揮できる、俯瞰性、実践力、総合的な判断力を持った専門家(となる人材)の育成を目標としており、次の能力を持つと認められる者に対し、博士の学位を授与します。

 

  • 感染症学および関連領域における学術基盤と幅広い視野を有している。
  • 感染症学および関連領域における高度な専門的知識、技術を有し、それらを研究等に実践応用できる。
  • 問題の全体像を俯瞰できる能力および困難な問題の解決を可能とする洞察力と柔軟な発想力を有している。
  • One Healthの実現のために国際舞台でリーダーシップを発揮できる。

 

国際感染症学院の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 大学院国際感染症学院は、学位授与方針に掲げる人材を養成するため、感染症学専攻の教育課程を編成・実施します。

 

感染症学専攻の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 感染症学専攻では、学位授与水準に定めた能力を持つ人材の育成を目標として、次の特色ある取り組みによりカリキュラムを編成し、実施します。

 

【感染症学の幅広い学術基盤の修得】

  • 感染症学および関連領域における学際的な視野と学術基盤を修得するため、「獣医科学・感染症学基礎科目」を開講します。
  • 獣医科学・感染症学の専門領域のみならず、総合的・学際的な知識を身につけられるよう、本学で開講している「大学院共通科目」を修了単位として認定します。大学院共通授業科目のうち、「基礎医学I」及び「基礎臨床医学I」の履修を推奨します。
  • 国際舞台で活躍する研究者としての倫理観や研究規範の醸成を目的として、「研究倫理演習」を開講します。

 

【英語能力の向上】

  • 国際舞台で活躍するための英語力を修得するため、少人数制クラスでの英会話および英語によるプレゼンテーション能力を高めることを目的とした「アカデミックイングリッシュ」を開講します。
  • 講義はすべて英語で開講し、さらに海外からの第一線の研究者を招聘して、英語でのセミナーも開催して英語能力の向上を図ります。

 

【感染症学における高度な専門性の修得】

  • 感染症学および関連領域の学術基盤を基礎として、感染症学に関する高度な専門知識および技術を修得することを目的とした、「国際感染症学コア科目I」および「国際感染症学コア科目IIAおよびIIB」を開講します。さらに関連領域における専門知識および技術を修得することを目的として、医学院開講科目「医倫理学」及び「大学院共通科目」である「疫学演習I」の履修を推奨します。
  • 人獣共通感染症対策の専門家養成を目的とした必修科目を設置します。専門家として必要な知識と技術の修得を目的として、「人獣共通感染症対策専門特論」を開講します。

 

【国際舞台で活躍できる実践力の養成】

 専門性を必要とする海外の現場での演習や国際的機関も視野に入れたキャリアパス支援を目的として、「海外インターンシップAおよびB」を実施して、国際舞台での実践力を養成します。

 

【博士論文作成のためのきめ細かい指導体制による総合的研究能力の養成】

  • 自立した研究者に必要となる問題発見・問題解決力と論文作成能力を修得するため、「感染症学特別研究I」や「感染症学特別研究IIAおよびIIB」を段階的に開講し、博士論文研究を支援します。
  • リサーチアドバイザー制度による所属研究室の枠を超えたきめ細かい指導体制により、博士論文研究の推進を支援します。
  • 年度末研究報告会を公開で実施します。より広くアドバイスを受ける機会となるとともに、英語による発表・質疑応答を通じて、国際舞台で活躍できる能力の育成を図ります。
  • 資格審査を3回実施して、学位の質保証を行います。第1回審査では、研究の妥当性や新規性等の評価・助言を行い、第2回審査では、研究の進捗状況を審査するとともに取得する学位(感染症学あるいは獣医学)を含め、学位取得へ向けての指導・助言を行います。第3回審査は、「学位論文提出資格審査」として実施します。

 

【博士人材としての総合力の養成】

  • 大学院学生が主体的に企画運営する研究討論会、講演会、国際学術集会等の開催を通じて、コミュニケーション能力、企画運営能力を養います。
  • TA・RA・TF業務等を通じて、将来、優れた教育者・研究者になるためのトレーニングの場を提供します。

 

学習成果の評価の方針

I. 成績評価の基準

  1. 成績評価にあたっては、本学院の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる本専攻の「養成する人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)」を踏まえ、授業科目ごとに「到達目標」を設定し、履修者の学修成果の達成度に応じて行うこととする。
  2. 本専攻における授業科目では成績分布の目安は示さない。
  3. 授業を実習で行う科目に限り、「合・否」で成績評価を行うことができることとする。
  4. 授業科目ごとに適切な「到達目標」が設定されていることと、それに基づく成績評価の結果を、定期的に教務委員会で検証し、必要に応じて担当教員に「到達目標」の再検討を依頼する。

 

II. 成績評価の方法

  1. 成績評価は、試験結果、レポート評価、成果発表(プレゼンテーション)、学修態度等により行う。
  2. 授業への出欠状況を単に点数化し評価に用いることはできない。
  3. 具体的な評価方法は、授業担当教員が定める。

 

アセスメント・ポリシーとアセスメント・チェック

 大学院国際感染症では、平成30年12月に学生の学修成果の評価(アセスメント)について、その目的、達成すべき質的水準及び具体的実施方法などを定めたアセスメント・ポリシーを制定しました。